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『姉ちゃんのおっぱいを搾って助けてあげて!』




   ≪1≫

 一週間後────。
「おーい。姉ちゃん、出てこいよ」
 浩次は扉を叩いた。
 例によって、姉の部屋の前にいる。
 先日の『お姉ちゃん巨乳化現象』は、あっさりと解決していた。
 姉弟なのにベッドの上でくんずほぐれつしながら搾ったあとのことだ。
 翌日になったら英里の胸は、また元通りペッタンコになっていたのである。浩次としては、あまりのデタラメさにあきれて言葉が口から出てこなかった。
(残念といえば残念……だけど、まあ……これで良かったような気も……う〜む……)
 その場のノリに流されてしまいはしたが、やはり近親相姦はいけないことだと理解はしている。
 姉弟で肉体関係を結ぶなど、二度とあってはならないことだ。英里のほうも空気を読んだのか、あれはあのときだけのこととして、話題を口にすることなかった。
 浩次が今、英里の部屋を訪れているのは、まったくの別件だ。
「おーい。姉ちゃん、いるんだろ。出てこいよ」
 何度、扉を叩いても返事がない。
(もしかして、また……姉ちゃんのおっぱいが……)
 またしても、浩次の胸に不安がこみ上げてくる。
 昨日の夜から、英里が部屋から出てこないのだ。おそらくまた、巨乳が再発したのかもしれない。
 そんなことを考えるだけで、浩次はいてもあってもいられなくなる。
「姉ちゃん、開けてくれよ! 姉ちゃんに何かあったら、俺が力になるって言っただろ。姉ちゃ……」
 必死に呼びかけていると、扉がわずかに開いた。
「あいかわらず、キミは騒がしいな」
 いつもと同じく、ぶっきらぼうな姉の声。
 浩次はひとまず、ほっと胸をなでおろした。
「姉ちゃん、無事だったか!」
「自宅の部屋にいて、安全ではないという状況には巻き込まれたくないな」
「また、なんか……変なことになってるんじゃないのか?」
 英里の体に、それらしい異変はない。
 胸はあいかわらず、まな板のような平坦さだ。
 もしかすると、別の症状なのかもしれない。
 浩次の予想を裏付けるかのごとく、英里が軽く頷いた。
「変と言えば、変だな」
 姉の言葉に、浩次の鼓動が早まる。
「そ、それじゃあ、また……俺が……」
「なんとかしてくれるのか?」
「まあ……また、しちゃうかもだけど……いやいや。姉弟だから、本当はそういうの良くないってわかっているけどな……」
 下心と姉を思う気持ちがせめぎあって、不自然な言葉が口から出ていた。
 そんな弟の考えに気づいた様子もなく、英里はぽんと手を打つ。
「せっかくだから、手伝ってもらおうか」
「お、おう」
「今回は、このような状態でな」
 あっさりとした口調とともに、英里がパジャマのズボンをずり下げる。
 浩次は、姉の股間に見慣れたものが生えていることに気がついた。
「姉ちゃん、そ……それは……」
「うむ。男のモノが生えてしまったのだ」
 照れくさがっているみたいに、英里の頬がほんのりと赤くなる。
 彼女の言葉通りに、女性器があるべき場所にいかつい肉棒がぶら下がっていた。それも、女の手首ほどもある巨根だ。
 勃起しているわけでもないのに、自分のモノよりもはるかに太ましい。
 あまりにも逞しすぎる男根を見た浩次の口から、思わずため息が出てくる。
「もちろん、男になってしまったわけではないぞ。なんとすごいことに、両方ついているのだ」
「両方、って……?」
 姉から目をそらして、浩次はたずねた。
「女の部分と一緒に、男のモノがついている状態でな。ネットで調べたら、これはふたなりとかいうらしい」
「そ、そうなんだ……」
「それでな、一度試してみたのだが」
 英里の口から、妙に艶めいた吐息がこぼれる。
「両方ついていると、なんていうか二倍だ」
「二倍? 何が?」
「二倍、気持ちいいのだ」
「そうですか」
 浩次は姉に背を向けた。
「それじゃあ、俺はこれで」
「待て待て。キミはお姉ちゃんの力になってくれるのではないのか」
「いや、ちょっと急用が」
 逃げようとする浩次の襟がつかまれ、グイと引かれる。
「まあ待て。今度は、その……お姉ちゃんにもさせてもらいたいのだが」
「嫌だよ! やめてくれよ、やめろって……」
「まあ遠慮するな」
「ちょっと!! やめっ……やめて。おい!」
「そう言うな。前のときと同じように、きっと気持ちいいぞ」
「いい加減なこと言うなって! やめろ、やめろよ……」
 意外と強い姉の腕力に、浩次は部屋の中に引きずられていく。
 二人が室内に入ると、扉がぱたりと閉まった。





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